ザ・ローリング・ストーンズのライブが70年代後半から80年代以降にスタジアム形式のものになってから、リズムギターであるキース・リチャーズがヴォーカルをとるコーナー、いわゆる「キース・コーナー」が設けられるようになりました。このキース・コーナーではローリング・ストーンズの楽曲で自らがヴォーカルをとっている曲を2曲披露します。その間にミックはお休み。実際のライブ会場ではお客さんがトイレに行くタイミングという「トイレタイム」とも一部で言われています(うーむ、けしからん。まぁ好き好きです)。自分はキースも大好きなのでしっかり見ますけどね。そんなキースが歌うストーンズ楽曲のベストテンが海外のサイトで紹介されていました。では10位からどうぞ。
渋い曲ですね。このアルバムはプロデューサーを曲によって分けたり、ブルースとテクノミュージックの融合をしてみたり、実験的な要素が強いアルバムですね。当時の流行やレコーディング方式を取り入れていることからミック主導のアルバムという気がします。ここではキースの曲として「Thief in the night」が取り上げられていますが、このアルバムにはもう一曲キースの曲が収録されています。それが「You Don't Have To Mean It」。キースの大好きなレゲェ風味の曲でノリとしてはこちらのほうが断然いいですね。ライブでも披露されていました。なんでベスト10に入らなかったのかなぁ。ちなみにこのときのツアーはDVDにもなっています(確かもう廃盤だったような)。
これまた渋めの曲です。Voodoo Loungeは個人的に思い入れがあるアルバムです。なんといっても、初めて生ストーンズを見たときの時期ですからね。初めて見るストーンズを目の前にして興奮しまくったのを覚えています。このアルバムでももう一曲「The Worst」というキースの曲が収録されています。ミックと一緒にヴォーカルを取る「Sweet hearts Together」というのも良い曲です。なんでもこのレコーディングのときにミックとキースが険悪になりそうだと、他のメンバーが「Sweethearts Togetherやろう!」と言ってなだめたというエピソードもあります。キースがソロを弾き、ロンがスライドを弾く「You Got Me Rocking」がかっこよすぎ!
歌い方、コード使いといい、この時期くらいからキースが歌う楽曲の作りが変わってきたかなと思ってます。この曲は結構好きでライブでやってくれると嬉しいですね。このアルバムは各メディアで「ストーンズ復活!」と言われ、評価も高かったというのを記憶しています。またこの時期、ストーンズは記念すべき初来日を果たしました。個人的には無念にもライブに行けず、友人にパンフレットだけ買ってきてもらった思い出もあります。このアルバムには「Can't Be Seen」というキースの曲がもう一つ収録されています。そちらのほうがノリはいいです。
これまた渋い選曲ですね。ライブで演奏されたことはないかもしれません。このアルバムはなんと言ってもビルボード一位に輝いた「Angie」が収録されていることでしょう。当時、日本でも大人気だったようです。アンジーもいいですが、他の曲も粒ぞろいで、もっと評価されてもいいアルバムと思っています。ミック・テイラーのギターが冴え渡る「100 Years Ago」、「Silver Train」。バラード風な綺麗な楽曲「Winter」。東洋風な「Can You Hear The Music」。これは当時来日スケジュールが組まれており、日本を意識したなんていうエピソードがありますが、本当かどうかはわかりません。ただ1973年には初来日する予定だったのですよね、ストーンズは。またスティーブ・マックイーンが歌詞に登場する「Star Star」。なんと言ってもこの頃のストーンズはライブ絶頂期で素晴らしい演奏を残しています。今までブートしかありませんでしたが、公式サイトからダウンロードで1973年のライブが購入できます。
〜追記〜
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キース・コーナーでは度々演奏されますね。ジャケットが刺激的なこのアルバムには「She Was Hot」が収録されています。マーティン・スコセッシ監督のストーンズライブ映画「シャイン・ア・ライト」でも演奏されてましたね。このアルバムの他の収録曲はダンスアレンジっぽいものが多く、これも時代を反映したものとなっています。おそらくミック主導で製作されたものかと思います。個人的には最も印象が薄いアルバムかもしれません
この「Memory Motel」は正確にはキースのみのヴォーカルではなくミックも歌っています。というか、一部キースが歌っていると言ったほうがいいような気もします。このアルバムはロン・ウッドが初めて参加してアルバムで、ファンキーなナンバーが多いですね。中にはキースが全く参加していない楽曲もあります。 この時期はミック・テイラーに代わるギタリストを探していたときですね。候補にはジェフ・ベック、ロリー・ギャラガーなどが挙がっていました。ストーンズ史上、最も粘っこくファンキーなアルバムと言われています。この時期のライブも粘っこくファンキーで明るいです。ビリー・プレストンも参加しています。
Little T&Aとはあの娘のかわいいオッパイとケツって意味らしいです。なかなかのもんですね。このアルバムは今までのアウトテイクを編集したりして出来上がったものにもかかわらず、大ヒットしてしまったというシロモノです。収録されている「Start Me Up」の大ヒットにより、スポンサーも付いてここから本格的なスタジアムバンドになった印象がありますね。スタート・ミー・アップの最初のキースのギターはとても印象的ですね。このイントロだけでノックアウトされます。それとスタート・ミー・アップのプロモ動画は必見です(笑)。別の意味でノックアウトされます。ミックの動きが◎。衣装も◎。ミック、ジム帰りっすか?かつて、ホラー小説(キャリー、シャイニングなど)の巨匠「スティーブン・キング」はミックの動きを見て「ケツに爆竹詰められたヤツみたいだな」とコメントしたそうです(笑)。
これはキースのヴォーカルも渋いですが、スライドギターがまた渋い。これはキースが弾いていると思われます。このアルバムは名盤ですね。映画のタイトルにもなった「Gimme Shelter」や「You Can't Always Get What You Want」などが収録されています。「Midnight Rambler」に関してはライブのほうが良いです。これは当時のライブ版の「Get Yer Ya-ya's Out」かライブ映画「Ladies & Gentlemen」で確認できます。ちなみにこの「You Got The Silver」はミケランジェロ・アントニオーニの映画「欲望」にも使用されました。さらにちなみにこの映画の中ではヤード・バーズが出演しており、とても若い頃のジェフ・ベックの演奏シーンが見られます。
この曲はキースの代表曲と言っても良いでしょう。キースコーナーではこの曲か「Happy」が演奏される確率が非常に高いです。この時期はキースが麻薬がらみで刑務所に入る可能性があった年です(結果は執行猶予1年とチャリティショーの実施)。歌詞はキースが色々なしがらみに踏ん切りをつけて前に進むぜ!という決意が伝わってくる楽曲です。この時代はパンク全盛といったところで、ストーンズもかなりそれを意識した楽曲となっています。「When the whip comes down」、「Lies」、「Respectable」がそれに当たりますね。特に「Respectable」のプロモーションビデオはパンクを意識したものになっています。しかしこのアルバムで一番有名でヒットしたのは当時のブラックミュージックを意識したディスコ調の「Miss You」。一度聴いたら忘れないくらいインパクトがあります。
キースの別荘でレコーディングされた豪華2枚組のアルバムです。ストーンズは油が乗りまくってくる頃ですね。この「Happy」は今ではキースのみがヴォーカルを取っていますが、レコーディングではミックのヴォーカルも入っており、当時のライブでもミックはヴォーカルを取っていました。ステージ上の一つのスタンドマイクを挟んで、ミックとキースがヴォーカルを取るスタイルにどれだけのアーティストが憧れ、真似したことか。いつかはやってみたいですね。他の楽曲はヒットした「Tumbling Dice」、ミック・テイラーのアグレッシブなスライドが聴ける「All Down The Line」、ニッキーホプキンスのピアノが素晴らしい「Loving Cup」、映画のタイトルとなった「Shine A Light」などがあります。
ふう。アルバムレビューな感じになってしまいましたね。他にも「Connection」、「Salt Of The Earth」(キース&ミックがヴォーカル) 、「Too Rude」、「Sleep Tonight」、「This Place Is Empty」、「Infamy」などがあります。個人的には大好きな「All About You」が入っていなかったのが残念ですが。新しいアルバムが出るとしたら、またキースの新しい楽曲が聴けるかも知れませんね。
http://ultimateclassicrock.com/keith-richards-rolling-stones-songs/