キースの使っている有名なテレキャスターと言えば「ミカウバー」と「マルコム」。それ以外にもいろんなテレキャスターを使っていますよね。
特にミカウバーはキースが使用しているテレキャスターの中で最も有名かもしれません。このギターを使用している曲はホンキー・トンク・ウィメン、ブラウン・シュガーやスタート・ミー・アップなどがありますね(映像を見ると)。マルコムは4フレットにカポタストを付けて弾いています。キースがヴォーカルをとるハッピーとか。
そんなキースが使っているテレキャスターをバンドで使ってみたいなぁとちょっと最近思い始めてきています。確か、以前にフェンダー・カスタムショップからキース・リチャーズモデルのギターが出ていたはずなんですが、今はもうありません。なので、自分で少し改造する必要がありますね。
とは言いつつも、52年製のテレキャスターで状態の良い物を手に入れるのは困難な上、高価過ぎるのでこれは断念。ではどうするか?というと以前にも紹介したことありますが、フェンダージャパンの52年製モデルのテレキャスターが手っ取り早そうです。値段もまぁまぁ手頃。
フェンダージャパンでなくフェンダーU.S.A製がよければHOT ROD TELECASTERですね。でもピックアップのネジが6〜4弦、3〜1弦で段違いになっていること、ブリッジが6駒でないことから、これだと改造するのはキツそう。特にこだわりがなければフロントピックアップがハムバッカーなので、これだけで「あれ、キースのテレキャスターに似ているな」と思われます。
下記のHOT ROD TELECASTERはフロントピックアップはミニハムになっています。キースも昔、フロントピックアップがミニハムのテレキャスターを弾いている写真があったんですが、どの本だか雑誌か忘れてしまいました・・・。風貌から70年代だったと思うんですがね。
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まとめるとキースのテレキャスターに改造するにはこんな改造が必要になってきます。
キース・リチャーズのミカウバーに近づけるテレキャスターの改造方法
1.リアピックアップがシングルであること
2.フロントピックアップがハムバッカータイプであること
3.ピックアップセレクターカバーがストラト製の白に交換されていること
4.フロントピックアップのハムバッカーを逆に付け替えていること(ネジがブリッジ側に向くようにする)
5.ブリッジがブラス製のものに交換されている
1, 2は超重要で外せません。ちなみにワタクシが所有しているテレキャスターでデラックスというのがありますが、これはリアもフロントもハムバッカーです。
3, 4についてはストーンズファン、キースファンに自分のギターについてツッコミを入れられないようにしっかり対応しておきましょう( ̄ー ̄)b
4についてはちょっと敷居が高いかもしれません。工作が苦手な人は得意な人にやってもらっても良いかもしれませんね。ちなみに楽器屋でやってもらおうとするとストーンズ知らない店員さんには「その心は?」と聞かれることはあるかもしれません。というのは、音的になんの効果があるのか明確でないから。この改造はあくまで見た目のことなのでしょうね。「他人とは違うんだぜ〜」というキースの反骨精神から生まれた改造だったのかもしれません。元々、ピックアップのネジがブリッジ側にあるものもあるので、そういうピックアップを選べば逆に付け替える必要もありません。
5も自信がなければ、誰かにやってもらうほうが良いかもしれません。これは楽器屋さんに頼んでも特に不自然はありません(・∀・)。ブリッジは新品だとピカピカなので、エイジング加工をするとあっという間に使用感が出ます。エッチング液と消石灰を使うと簡単に金属のエイジング加工ができますが、凝りたい人は調べてみてください。
昔はすでにブリッジがブラス製のものになっていて、ピックアップセレクターもストラト製のものになっているモデルもあったんですが、今はもうないですね。そのモデルならフロントのハムバッキングピックアップを逆に付け替えるだけでミカウバーもどきの完成だったんですけど。
もう少し凝るなら以下も追加です。
6.6弦を取っ払う
7.6弦のブリッジの駒を取り除く
これは5弦テレキャスターにする改造です。取り除くだけなので改造ってほどでもないですけど。1点注意は6弦の「ペグ」は付いていることです。この理由はよくわかりませんが、見た目の問題ですかね〜。音に影響がないから必要ないと判断したのかな?
さらに極めるなら
8.ブリッジ側のシングルコイルのピックアップをフェンダー製のラップ・スチール・ピックアップに交換する
9.ペグをスパーゼル(Sperzel)のロック式ペグに交換する
これで完璧です。ちなみにラップスチールピックアップはネジ留めが2点しかないため、テレキャスターに付けるときには3点目のネジは空きます。まぁそれほどグラグラするわけでもないので、弾くのに問題はないと思います。ただ、日本じゃ単品で手に入れるのが難しいかも。ラップスチールギター買って、ピックアップだけ取り出して使うとか。なんという贅沢な使い方だ…。ラップスチールはロンが使うので、ロン役をやるギタリストに譲ってもらうとか(おそらくダメだろう…)。
スパーゼルのロック式ペグはこういうやつ。楽天でも売ってますが、サウンドハウスが抜群に安いのでこちらをどうぞ。テレキャスターに取り付けるなら6連のやつです。3x3と表示されているやつはレスポールとか335とか用のヘッドの両側にペグが付いているタイプのギターに使うやつなので注意。スパーゼルのロック式ペグを使うメリットはチューニングが狂いづらくなるのと、弦交換が簡単になることですね。
SPERZEL ( スパーゼル ) / GTR TRIM LOCK SATIN CHROME
中古ならある程度キースモデルに改造してあるものがありました。これにプラスして施す改造はフロントピックアップの付け替えと6弦ブリッジの駒をはずすだけでOKです。中古なので状態が気になるところではあります。色がキースのミカウバーとは違うんですよね。キースのやつはバタースコッチブロンド。これはオフホワイトブロンドです。微妙だけど、どうせ改造するならこういうところは大事です。
※さらに追記
どれもこれも売り切れになってしまっていましたが、今だとこれなら通販できます。TL52-SPLを引き継いだギターでボディやネック、ピックアップまで同様のものとなっています。販売元が変わるから名称だけ変わったという感じでしょうか。
今、我々のバンドはギター1本なので、5弦ギターにするにはなかなかつらいところ(ライブで2本ギター持っていけばいいのですが、それもなかなかツライ)。ということで、5弦にするのだけやめて他の見た目をクリアすればいいのかなぁなんて思ってます。
あとは使うアンプですね。ギターだけ改造してもそれっぽい音を出すにはアンプが超大切です。フェンダーツインとかフェンダーツインリヴァーブなど。そしてあまり音を歪ませずにある程度音量を上げてあげること。そうするとコードを弾いたときにバイーンって感じのキースっぽい音が出ます。弦は交換したてのほうが金属音が響いてキースっぽい音になります。
どうしても音量が出せない時はクリーンブースターを使うとそれっぽくなります。これをONにしっぱなしにして使います。音にハリが出てジャズコーラスのようなトランジスタアンプでもこれを使うとまるで真空管アンプを使っているようなリッチなクリーン音が出ます。意外と使えますよ。
つまみをほぼMAXにして(もしくは時計の3〜4時くらい)アンプはクリーンにするとクランチより若干軽い歪がかかり、いい具合にキースサウンドが出せると思います。アンプがジャズコーラスならそんな感じで使えますよ。
MXR M133 MICRO AMP
全てのセットアップが終わったら、ホンキー・トンク・ウィメンのイントロを指弾きでカッコよく決める!やっぱカッコイイね、キース!!
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キースリチャーズのテレキャスターに近いFenderのギター
※さらに追記
フロントピックアップがハムバッキングタイプのテレキャスターがなく、シングルコイルタイプのものしかないようです。フロントハム、リアシングルのテレキャスターはなかなかスタンダードモデルにならないですね。
Fenderのオフィシャルサイト見ても、テレキャスターでピックアップがフロントハム、リアシングルタイプのモデルがないんですよね。個人的にはあってもいいかなぁと思うんだけど…。テレキャスターカスタムならピックアップだけはハム+シングルだけど見た目が全然違うのでダメですしね。
2018年の現時点でミカウバーに近づけるには、フロントピックアップのボディ部分にザグリを入れる必要がありますね(大がかりな改造…)。
それでも覚悟して改造するなら、このあたり⇒Fender Telecaster のテレキャスターを1本買って改造かなぁ。部品代なども含めて10万位内には済ませたいところですね。
ただ、ザグリ加工は非常に敷居が高いです。DIYが得意な人か、業者に加工してもらったほうが安全かもしれません。ヘタするとギターのボディーに穴が空いて目も当てられない状態になったら大変です。パーツの交換などは自分でもできますけどね。
そのうちキースモデルっぽいテレキャスターはFender Japanから出そうな気がします。