ザ・ローリング・ストーンズ50周年ドキュメンタリー『クロスファイアー・ハリケーン』を見ました。ストーンズの50年をストーンズのメンバーと共に追体験ができるような構成となっています。当時の映像、音楽に対してストーンズのメンバーがナレーションを入れる構成で当時の状況、考えていた事を語っていくという珍しい形式でした。このナレーションには元メンバーのビル・ワイマン、ミック・テイラーも含まれています。現在のメンバーの映像は出てきません(インタビューされているところとか)。
映像は主に1960年代〜1980年代前半くらいを対象範囲としていますが、その中でギタリストの変遷がやっぱり取り上げられてますね。ブライアン・ジョーンズ→ミック・テイラー→ロン・ウッド。これによってストーンズの楽曲は少なからず変化していますしね。印象に残ったのは1960年代のストーンズがポップスターとなった初期からブライアンが脱退して、亡くなるまでのストーリー。ブライアンがブルースハープを吹いて「I just want to make love to you」(恋をしようよ)をプレイしているとき終盤でミックとマイクで叫んでいる映像はなかなか貴重なシーンでした。現在のメンバーはあまりブライアンのことを語りたがらないんですが、このドキュメンタリーでは各メンバーが思いを語っています。キースが「(死ぬ間際のブライアンを指して)もうその頃のあいつはサヨナラの国(Bye Bye Land)の住人だったんだ」と言った後にノー・エクスペクテーションズが流れるところが印象的。このノー・エクスペクテーションには見事なスライドギターが入っており、ブライアンの最後の素晴らしい仕事だったとメンバーも語っています。ちなみに、この曲は1968年リリースのベガーズ・バンケットに収録されています。トータル的にこの年代に多くの時間が割かれていますね。
もうひとつはビートルズを白い帽子、ストーンズを黒い帽子と例えていたところでのキースのセリフ(ビートルズ=「善玉」、ストーンズ=「悪玉」となるように演出していたということ)。キースいわく、メディアから批判されたりドラッグで逮捕されたりしているうちに、すっかりアウトローの条件が揃ってしまい「それから黒い帽子を被ったのさ。それまでは正直グレーの帽子だったんだが(笑)」というところ。これもまたキースの名言集のひとつですね。ざっと1回目の鑑賞ではこんな感じでしたが、2回目以降はもっと気づくところもあると思います。
さて特典について。まず一番に気なるのが特典ライブ映像で1965年9月ドイツのミュンスターでのライブが入っています。サティスファクションのキースのファズの音質は残念ながら潰れてしまっています。その代わりブライアンのリズムギターがよく聞こえます。
- アラウンド・アンド・アラウンド
- サティスファクション
- アイム・オールライト
あとの特典は予告映像、監督インタビュー、エンジニアの解説、50周年ライブ発表のメンバー4人の映像、メッセージ・フォー・ジャパンというもの。メッセージ・フォー・ジャパンはミックとキースのメッセージコメントが一言入っています(ホントに一言)。個人的にはもっとライブ映像を特典に入れてほしかったと思いますが、それはまた別で期待。なぜかと言うと、監督インタビューでは今までのストーンズのアーカイブがすべて見られる、聴ける場所にいたとか。なんでも相当でかい倉庫があり、そこに一度も見られていないようなものも保管されているそうです。こうなりゃ今後も期待するしかないですね!